ボクが目覚めた時、ここが何処だか分からなかった。
なんで床の上で寝こけているのさ。
…静かな白い病室。
何て事だ、ボクは自分が眠ってしまっていた事さえ気づいてなかったみたいだ。
ユーリはどうなってしまったのだろう?
まだここに居てくれているのだろうか?
やけに静かだと思ったら、医療機器の音がしない。
うそ。
まさか。
そんなのって。
とりあえずふらふらとベッドに近づく。
………もぬけの空?
どーりで音がしない訳だよ!
しかも、ご丁寧に点滴とかひとそろい引っこ抜いた後まである!
張りつめていた気の糸がぶちっと音を立てて切れたっぽい。
その場にへたりこむ。
———生きてたヨ。まったく。
あ、窓全開じゃん。どーりで寒い訳だ。
さては、と思って下を見ると…点々と紅い道しるべ。
追いかけないと。
「アッス君起きてってば!おーきーてー!おきてってばー…起きろコンニャロー!!!」
起きないアッス君はほっといて2階の窓から飛び降りる。
空はどん曇り。
早くユーリを見つけなくちゃ。
雨が降ったら風邪引いちゃうよ!