「綱吉君?」
「どうしたのさ骸?」
「少々聞きたい事があるのですけれど、いいですか?」
「めずらしいね、薮から棒に。俺の分かる範囲でよければ答えるよ?」
「はい、それじゃ。あのですね、黒燿での戦いは僕にとっても、綱吉君にとっても、なかなかに大変な戦いだったと思います。」
「うん、そうだね。俺も殺されるかと思った。」
「ですよね。殺す気でいましたもん。それはそれはまぁ怯えてくれていましたものね。でもですよ?」
「…?」
「最近聞いたのですけれど、僕と戦うのに報酬があったそうですね?それは別に珍しい事ではないと思いますし、それなりの相手と戦うののならば、当然だと思います。 けれど、それはきちんとした…まぁそれなりの評価と、捕らえる事もできる訳ですよね?」
「…何が言いたいの?」
「とどのつまり…トマト一年分で僕の討伐を引き受けたって、本当ですか?僕の命、トマト一年分とイコールなんですかっ!!?」
「…ごめん。」
「せめて、カボチャ一年分。最低でもレモン一年分くらいはあると思うんですけど!」
「そこなんだ!?」
ツナは山本の家に遊びにきていた。
そして、夕飯に寿司をごちそうになって、今は大分遅い時間だが、家へむけて歩いていた。
道は真っ暗。ところどころに街灯がぼんやりと明かりを落とし、蛾が群がる。
「いやだなぁ…怖いなぁ…!」
そんな事をつぶやくツナの前に、白い人影が現れる。
そして…
「こんな遅くに、何処へ行かれるのですか…。」
「えっと、今から家に帰る所で…ひぃっ!!」
その、白い人物には、足がなかった。
「俺は何も知りませぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
暗くて静かな夜道、ツナは絶叫して、思わず反対方向に逃げる。
幽霊は「私が見える人…やっと見つけた…。」と言いながら追ってくる!
ツナは走っていた。
曲がり角が前方に見える。そこから誰かが現れた。
ツナは助けを求めようと口を開くが、
「たすけてくださぁぁぁぁぁぁ…ぃ?」
「こんな遅くに、何してるの?」
曲がり角から現れたのは雲雀だった。
「ひっ…ヒバリさん…!!?…かみ殺さないでくださいぃぃぃ!ごめんなさぁぁぁぁい!」
ツナは、キレイなUターンをして来た道をさらに全速力で走り戻って行った。
そこには、追って来た幽霊が居たが、幽霊を素通りして、ツナは逃げて行った。
「僕って、幽霊よりも怖がられていたんだ…。」
ちょっと複雑な顔をした雲雀が、幽霊すらもかみ殺してそうつぶやいたのは、ツナが走り去って数秒後の話。
「ねぇ綱吉。」
「…!ひ、ヒバリさん…!?ど、どうかしたんですか?」
「ちょっと時間ある?」
「え、えぇ…。ありますよ?」
「じゃぁ、ちょっと来なよ。」
「へ…うわぁ〜!!」
そうして、ツナは応接室へ引きずられて行った。
「…で、俺どうすればいいんですか?」
ソファの上でツナが言う。
「ちょっと待ってなよ。」
「?」
そうして雲雀は応接室から消えた。
「…なんなんだ…?」
ツナがいぶかしんでいると、
雲雀はすぐにまた戻って来た。手に持っているのはいつものトンファーではなく…スープ皿。
そのスープ皿をツナの前に置く。
「???」
「飲みなよ。」
「えっと、これは…?」
「スープだけど。」
「いや、それはわかるんですが…。」
「僕が君にスープを御馳走してあげた。問題ある?」
「や、別に、ない…です。(…変な事もあるもんだ。)」
「そう。なら早く飲みなよ。冷めるよ。」
スープは、何か異様な存在感を放っていた。
ツナは意を決して、スープを飲む。
雲雀は固唾をのんで見守っている。
そんな中、ツナは無事に飲みきった。
「おいしかった?」
「…はい。でも、なんのスープだったんですか?なんか…つぶつぶしてましたよ?」
「蚊の目玉のスープ。」
「…は?」
「だから、蚊の目玉のスープ。中華料理なんだって。」
「へぇ…。(うわ…蚊の目玉飲んじゃったよ…。…でもまぁ、たぶん、害はないだろうけど…?」
「コウモリのフンから取り出して調理するらしいよ。」
「…。(うげっ!のんじゃった、のんじゃった、のんじゃった!!)」
「ちなみに一杯30万だってさ。」
「まじっすか!?そんな高級な物…お、俺なんかが飲んじゃってよかったんですか!!?」
「うん。上納品だから。」
「あ、ありがとうございます…。」
「幾ら珍味とはいえ、そんな怪しいもの僕は飲みたくないし。」
「は…はぁ…。」
「でも、もったいなかったから。…いい飲みっぷりだったよ。」
「お褒めに預かり光栄です…。」
拍手お礼として掲載していた物まとめ。
普段拍手お礼は必ず3種類置いているんだけど、
一時期3種類の打ち必ず一本を小説にするって感じだったのね。
で、その時の産物。今は全部イラストだねー。だって短い話かけないんだもの。
そうそう、蚊の目玉のスープは、存在するらしい。(薬膳料理としてらしいよ!)
ネットで調べたらいろいろ出て来てびっくり。
実際は小エビの目玉で代用するらしいけれど…火のない所に煙は立たず。本物は幻の料理みたい。
しかし、なにせ中国は「四足はテーブル以外、二足は梯子以外は食べる。」と揶揄されるほどの国。
ウサギの頭が庶民の激辛料理になるような国だからなぁ。