少し時間が経った。
今一行が居るのは、さっきツナが腕に呪いをつけられたほこらである。


「なるほど!そんな訳でなぜかは知らんが今!俺は呪われているのだな!?」
「うん、まぁ…大体そんなカンジ。」
「しかし、なぜだ?雲雀やタコヘッドやナッポーならばともかく、沢田が誰かから呪われるような人間だとは思わんが。」
「…うん、まぁ…元の運が悪いから。でも…みんなを巻き込んじゃったのは、反省してるけど…さ。」
「ねぇ綱吉。それってさ、反省してどうにかなるものなの?」
「それは…えっと…。」
「ぶっちゃけ、巻き込まれてからじゃ遅いんだよね。」
「あぅぅ…ごめんんさい…。」
「雲雀!言いすぎではないのか!」
「お、お兄さん…でも、本当の事ですから…。」
「でしょ?君だってそう思ってるんじゃない?…本当に、巻き込まれたのが僕らだったからまだ良かったものの…。」
「ご…ごめんなさい…。」
「なんであやまってるのさ。」
「へ?だから俺がまきこ…。」
「僕は反省してどうにかなるものじゃないって言っただけだけど?」
「えっと…。(どーすりゃいいんだよっ!)」



「ねぇねぇねぇねぇ~?、ランボさんひまぁー。退屈だよぉ~。ツナあそぼぉ~?」
「うるせぇよ、アホ牛!」
「ふんだ、ゴクデラのおばかぁ~!」
「果たすぞゴルァ!」
「はいはい、ランボちゃんはハルと一緒ですよ。乱暴な獄寺さんは、あっち行っててください!」
「ケッ! 言・わ・れ・な・く・と・も!」
「え~。しょうがないなぁ~。しょうがないから、ランボさんハルと遊んであげるんだもんね!なにする、なにする~?」
「え、えぇ~とですねぇ~…。」


少し離れた場所では、調査している骸に山本が尋ねている。

「なぁ骸。なんかわかったか?」
「今の段階だと…まぁ、ここが何かを封じていた場所である、という位ですね。」
「そっかぁ。でも、ここに封じたならさ、うっかり何かの反動で呼び起こしちゃった時の対処方法とかも用意してありそうだけどな。」
「えぇ、多分あるとは思いますよ…おそらく、それはこれらのほこらの並びに関するもののような気がします。」
「なるほどな。じゃぁ、同じ年代に建てられていそうなほこらをピックアップしていくか?」
「そうやって、関係あるものと、そうじゃないものを分けて考えていくのが一番妥当でしょうね。」
「なんか大変そうだな。それに、時間もかかりそうだ。」
「まったくです。それでも、この不幸を一生涯のお友達にするよりはマシでしょう?…まぁ、不幸中の幸いとして体力のある労働力は揃っています。彼らにはフ ルに働いてもらわないと。」
「彼らって…お前は?」
「嫌ですねぇ、あなたには僕がそんな体育会系に見えるんですか?」
「…みえないけど。」
「バリバリ頭脳派の僕は頭数に入りませんよ。」
「でもよー?」
「無理です嫌ですダメダメですぅ。僕、ハシより重たいモノを持った事ないんですから!」
「…(らちがあかなそうだな…でもまぁいっか。)…。…じゃ、まず埋まってるヤツを掘り出してみるか!おーい、みんなー!」


山本がそう言うと、てとてととランボが近寄ってくる。


「ねぇねぇヤマモトぉ?ランボさん、さっきのお話聞いてたんだよ。穴堀りするんでしょぉ?」
「そっか、聞いてたのな。そうだぜ。がんばろうな!」
「あのねぇ、ランボさん穴掘りするのにいいもの持ってるんだよ~?」
「お!そりゃちょうどいいな!貸してくれないか?」
「貸しちゃおうかな、どうしようかなぁ?貸しちゃってもいいけどな?」
「な!頼むよ坊主~。」
「じゃ、いいよぉ。はい!」

そう言ってランボが取り出したのは、緑色のパイナッポー…ではなく。


「それ、手榴弾ーーーっ!!!」

駆け寄ったツナは間一髪でその、ピンの外れた手榴弾を誰も居ない方角に投げ飛ばす事に成功する。


「…すげぇな、おっきな花火!確かにあれくらいあれば穴堀りできるかもな~。でも、必要な物まで吹っ飛ばしちゃうのはいただけないのなぁ~。」
「え~、ダメなのぉ?ランボさんの特別なのに!」
「特別だったのか。そりゃぁ悪い事したな。また今度みせてくれな?」
「ぶぅ~。」

「…綱吉君。」
「あ、骸。どうかしたの?」
「だいたいいつもこんな感じですか。」
「だいたいいつもこんな感じだね。」
「ねぇ、僕リング返してもいですか?」
「俺、ボンゴレリングも呪いの一種だと思うんだ。」
「……。」
「馬鹿じゃないのナッポー。その程度でこの最悪な群れから逃げられる訳がないでしょ。」
「骸様…あきらめは、カンジン。」

「おいアホ女。」
「ハルはアホじゃないです。」
「黙れっての。…なぁ、なにか、音が聞こえないか?」
「音?」
「あぁ。ゴゴゴ…って。」
「そういわれると…?」





その直後、大地が裂けた。



「なっ…!?」
「へ?」
「む!」
「あららのら?」
「うぉっ!」
「…いや…!」
「ちょっと…これって……!?」
「マズそうだね。」
「はひぃぃぃぃっ!?」

「「「やなカンジぃ〜〜〜〜〜〜っ!」」」



一同は、ぽっかりと口を開けた奈落の底へ向けて、落ちて行く。