……またあの光景だ。
一体あの,目の前で死んだ女はなんなんだ?
ジャックってだれだ?
どうして俺の記憶の中に知らない風景があるんだ?
俺は第28番暗殺部隊所属NK-SX4687型サイボーグのDT3428だ。
5年前に生体改造手術を受けて今まで稼働している。
俺は今、暗殺型サイボーグの中でもトップレベルの破壊力を持っていて、
暗殺系の仕事よりも破壊や抹殺の任務の方のが得意だった。
もちろん、そういった仕事もするけれどな。
そして、今もその命令を遂行中だ。
「きゃあああああーーーーーっっっっ!」
「やめ・・・あああああああああーーーーーーー!!」
「お……お助け…………ぐはぁぁぁぁっ!!」
いつも通り。
でも。
「やめてっっ!お願い!この子だけは…………!!」
母親が子供を庇う。俺は銃を構える。
すると、必ず、
「————ジャック!」
……あの声がするんだ!
あの風景が!
あの映像が!
なんて耳障り!
どうしてこの声は俺をこんなに不安定にさせるんだ!
一体あの声はなんなんだ?
ジャックって誰だ!
俺が戸惑っているうちに目の前の母親が立ち上がり、
俺を突き飛ばした!
——油断した!
俺の体は後ろに倒れ、地面に背中をぶつける……ハズだ。
なのに、真っ暗い穴の中に落ちてゆくような感覚。
どうして。
なぜ………着地しない?
……なぜ、真っ暗?
俺は何処に落ちてゆく???