俺が目覚めると、見慣れない白い天井。それに、嗅ぎ慣れない匂い…。
ここは俺の家じゃ…ねぇよな?俺の家、もっとボロいし。
ここ、どこだ?
体を起こそうとすると…痛ぇっ!
あ。思い出したぞ!そうだ俺、ツナが怪我してるって雲雀に聞いて、病院に運ぶのについてったんだっけ。
んで、黒服のおっさんに追っかけられたり、銃みたいなのぶっ放されたりして……そっか、あのあと俺、ぶっ倒れっちゃったのな。
てゆーかツナ、大丈夫かな?
まぁ、痛いのちょっと我慢して体を起こすと…あ、隣のベッド獄寺なのな。
良くねてらぁ。まぁとっても疲れただろうからなー。
で、獄寺の正面が雲雀。こっちも良く寝てる。けど。しかし。うわーーーーー…雲雀と同室かよ。
これは…こいつが起きたら一悶着覚悟かな?別に群れてる訳じゃねぇけど…獄寺も居るし。
幸いなのは、いやコレ幸いっていうのかな…?雲雀の怪我が、昨日見た様子だと結構ヒドイって事かな?あんまり動けない…ければいいなぁ。
かみ殺されたくないし。
それとも部屋、移してもらおうかな…。
そんで、雲雀の隣は…もぬけのから、か。でも、プレートには「六道骸」って書いてある。
………これこそ、雲雀が起きたら大惨事じゃねぇか。決めた。俺、部屋を移してもらおう。無駄に痛い思いしたくないしな。
他のベッドは…空か。
それにしても骸、もう動けるのか…。まぁ、ツナ背負ってたからな。一番軽く済んだのかも。
あ、だからずっとツナの事背負ってたのか?したたかなのなー…。
それにしても…ツナがいない。
重傷って言ってたよな?別の部屋なのかな?
ツナ…。
「武!」
「親父。見まいにきてくれたのか?」
「おうよ!怪我の具合はどうなんだ?」
「うーん、痛い。」
「ははは!だろうな!派手にやりやがって、ヒヤッとしたぜ!」
「笑い事じゃねーよ!……ってか、何があったか、とか、聞かないんだな。」
「言った所でお前、話すか?」
「それが、えーと…いやぁ…なんつったらいいんだろうな?」
「言いたくなかったら言わんでいい。」
「親父!」
「男ならそういう時もある!」
「……あぁ。ごめんな、親父。」
「気にすんな。…そうだお前、新聞は読んだか?」
「新聞?」
「おうよ!なんでも、暴力団と警察がぶつかり合って、大変だったらしい。」
「そっか。そんな事があったのか。」
「あぁ。お前が寝てる間に、もう丸一日経っちまったからな。」
「へ!?そんなに!?」
「おぉ、そうだ。新聞。読むか?」
「ありがと。なになに…」
新聞には
並盛町内の大通りから廃工場、病院前のポイントで、暴力団が暴れていたのを警察が鎮圧した、と出ていた。
その後、暴力団員が捕まったのか、追い払われたのか、それとも逃げたのか。どうなったのかはでていない。
ツナの知り合いのディーノさん、警察官だったのかな?
そういえば俺、あの人についてよく知らないや。今度会ったら聞いてみよう。
「武、何をしても構わんが、無理はするなよ。」
「…うん。わかってる。…なるべくがんばる。」
「あぁ。なるべくがんばれな。」
ちょっと場所が変わって。
「綱吉君〜、生きてますかー?って、あら、お客さんですか?」
「あ、骸!」
「へー、お前が六道骸かぁ。なんか、もっと凶悪なの想像してたな。」
おや、折角体が痛いの我慢してお見舞いに来たのに先客がいました。ツイてないですねぇ。
「あぁ。はじめまして。で、あなた誰です?」
「俺はディーノ。マフィア・キャバッローネの十代目さ。そんで、リボーンの元教え子。つまり、ツナの兄弟子だな。」
「名乗るまでもない気はしますが、霧のリング守護者、六道骸です。以後お見知りおきを」
「ねぇ骸、そういえばもう歩き回って平気なの?」
「ええ。足のケガも大した事ありませんでしね。まだ、松葉杖はいりますけれど、ね。」
「他のみんなは大丈夫?」
「非常に残念な事に、誰も致命傷を負わなかったんです。悲しいですねぇ。」
「よかった。みんなヒドイ怪我をしたって聞いてたから。俺心配してたんだ。」
「まったく、誰のせいだか。」
「……?」
「どうしました?小学生みたいな顔して…って、元からですか。」
「ヒドイ!(自分の顔がいいからって…ぶつぶつ)……じゃなくて!なんでみんなそんなに怪我してたの?…あ、そうだ。ディーノさんが、新聞の事件の事言ってたけど…。それに巻き込まれたとか?」
「覚えてないんですか?というか、…新聞の事件?」
「なんだお前、知らないのか?ツナ連れてた時の事がニュースになってんだ。ちょっと、報道規制が間に合わなくってな。」
ドン・キャバッローネが差し出して来た新聞を読んでみる…。
へぇ…頑張りましたね。うまいこと僕らの事が消されて、騒動の事だけ報じられてます。
「ま、ご町内の破壊具合の言い訳としては上々、ですかね。」
「だろ?結構がんばったんだぜ?」
「ってゆーか、その事件になんで俺が関係あるの?」
「へ?………綱吉君、覚えてないんですか?」
「うん。てゆうか、その日の事は、買い物の帰りに黒い服の連中囲まれて、殴られて気絶した所までしか覚えてないんだ。
気絶から復活したらここに居て…ディーノさんとも話が噛み合ないし。ねぇ骸、骸は、俺が気絶してる間に何があったか分かる?」
「なぁ、俺にも教えてもらえないか?さっき、ちょっとだけ獄寺が起きたから聞いてみたんだけど“恭弥に聞け”としか言わなくってさ。恭弥は爆睡中だし、起きても会話にならない気がするし。」
「ところであなたたち、僕が真面目に話すとでも思ってるんですか?」
「そー言うなって!ほら、ヨウカンやるから。」
(ディーノさん、ヨウカンで骸つってるしー!てか、つれないだろー!?)
「えー。僕、栗ヨウカンのが好きです」
「あ、あるぜ。栗ヨウカン。ほれ。」
「ありがとうございます。あ、ここのヨウカンおいしいんですよねー。いいでしょう、話してあげます。」
(つれたー!しかも、栗ヨウカンかよー!!)
「まぁ、超簡潔に言うと綱吉君を回収した後、この病院に連れて行って、その後雲雀恭弥とはち合わせて…いきなり「かみ殺す」とか言われたんでバトったんで
すよ。そしたら、獄寺隼人や山本武もまじってきましてね。盛大に戦いました。まさか、暴力団に間違われちゃうなんて、予想外でしたよ。」
「あれ、お前ら追われてなかっt「いやぁー、うっかりヒートアップしてケガしちゃいましたぁー!」
「えええええええぇーっ!それじゃ、みんなのケガってただのケンカなの!?」
「いや、黒服の連中g「ケンカじゃないですよー。ヒマつぶしですぅー。ってゆーか、あいつらの存在自体がもうありえませんー。死ねってカンジですね。」
「ってか、そしたら新聞の記事…!」
「事実なんてそんなもんですよ。あ、ひょっとして綱吉君も、新聞に載りたかったんですか?」
「いや、そんなんじゃないけどさ」
「なぁ、それh「見栄っ張りですねぇ。ところで、そこの金髪マフィアは何でわざわざ日本に来たんですか?」
「俺か?リボーンから、妙な連中の話をきi「お疲れさまです!いやぁわざわざ遠くから苦労様です!」
「…わかったよ、もう何も言わないよ…。」
「クフフ、やっと分かってくれましたね?」
「俺、全然会話についていけてないんだけど…」
「お馬鹿ですねぇ。ま、別に問題はありませんが。」
「?」
「さ、栗ヨウカンを食べながら、北京ダックと忠犬と野球馬鹿がいかにしてこの完全無欠な僕に敗北したのか、スペクタルに語ってあげましょう!」
「いや、別にいいって!いい!結構だからぁー!」
おしまい
長かった…。実に長かった…。
着手という観点から見れば、これが初めて書いたリボーン小説でございます。
初めて書いた現代劇。まさか、"舞台・現代"がこんなに難しいモノだとは思わなかった。ファンタジー万歳!
おんぶ好きやねんめっさ好き。
おぶって走るお話しが読みたかったんだけど、誰も書いてないのね。だから自分で書いた!
しかし!自分で書いたものは萌えん!ぐっはぁ!
以下、おまけ。
状況上、削ってしまったワンシーン。
「ランボさん、こっそり夜中に出歩いちゃうんだもんね!どっきどきだもんね!…………くぴゃぁぁぁぁぁ!!」(きらーん)
「……?」
「どうかしましたか?」
「いや、一瞬…何か蹴っ飛ばしたような気がしたけど、気のせいみたい。」
「そうですか。」
このシーンを入れた上で、笹川の兄さんが最後をシメれば完璧だったかも。